mutanのblog

『睡眠時無呼吸症候群患者』大きな声じゃ言えないけど一応、一級建築士。けれど本業そっちのけの雑記ブログ

ウィルスミスのビンタに対して日本人が寛容なのは敵討ちがまだ根付いている説

往復ビンタのイラスト(棒人間)

大前提として暴力を容認する立場でわないこと。今回のウィルスミスの行動に関しても基本的には反対の立場をとること、日本ではウィル・スミスを擁護する意見が強いようだが、アメリカではウィル・スミスに対するアカデミー賞でのクリス・ロックにしたビンタの批判が圧倒的だ。

この日米の反応の差はどこにあるのだろう。

 

ボクは日本人の考え方にまだ敵討ちという概念が心の奥底にあるんじゃないかという推測をたてた。

 

yahooニュースでアメリカでウィル・スミスを批判的に捉えるアメリカの反応の根拠をわかりやすく解説する記事の一部抜粋をみてほしい。


きっかけは、長編ドキュメンタリー部門のプレゼンターとして舞台に立ったコメディアンのクリス・ロックが、最前列に座っているスミスのジェイダ・ピンケット・スミスに「『G.I.ジョー』の続編を楽しみにしているよ」とジョークを言ったこと(脱毛症のため、彼女の髪は『G.I. ジョー』の主人公のように非常に短い)。

一部省略

■外見へのジョークでも許容されるワケ

 日本では、他人の外見、とりわけ病気による外見をジョークのネタにしたロックへの怒りが強いように見受けられる。だが、アメリカではそこへの抵抗は薄い。コメディアンらは一斉にロックへの支持を表明したし、この出来事の後、ロックのショーのチケットの値段が高騰したことを見れば、一般人の多くもロックの味方であることがうかがえる。

 なぜなのか。ロックが言ったジョークは、悪趣味かもしれない。しかし、強者が弱者を笑うものではないからだ。もしロックが白人だったなら、彼は大バッシングを受け、しばらく仕事を干されることになったはずである。アメリカではここのところがとても重要だ。

 一部省略

 だが、権力と富がある人、たとえば政治家やセレブリティーは、思いきりネタにしてもいい。いや、コメディアンからネタにされることを許容できないなら、政治家やセレブリティーになるなと言っていいくらいだ。

 一部省略

 今回のロックのジョークの場合は、黒人が黒人をネタにした。しかも、スミス夫妻はトップクラスのパワーカップルで、ハリウッドにおけるステータスはロックより上だ。そして、多くの人と同様、ロックは、ジェイダ・ピンケット・スミスが脱毛症であることを知らなかったという。もし知っていたら、さすがにそのネタは選ばなかったのではないかと思われる。

参考記事 ウィル・スミス、「妻の外見へのジョークに平手打ち」に日米で反応が分かれる理由(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース一部抜粋

 

この記事は「立場の強いものはそうでない者からのジョークを許容するべきでそれを容認できない者は度量がちいさい」とボクは捉えている。

日本のモノマネにも似た構造だ。

ただパワーパートナーでありクリスロックからすれば立場の強いふたりではあるが、妻ジェイダ・ピンケット・スミスだけ切り取れば女性であり脱毛症である者にウィル・スミスを盾に攻撃するのは悪趣味としか捉えられない。

脱毛症のことを知らなかったでは通らない。公の場での発言は今回アカデミー賞を退会したウィル・スミス同様の責任が問われるべきだ。

敵討ちはまだ日本人の心に根付いているか。

そこで今回の騒動を日本での反応が敵討ちとして容認する立場の者が多いんじゃないかと捉えいる。

 

敵討ちとは

敵討(かたきうち)、または仇討ち(あだうち)は、主君や直接の尊属を殺害した者に対して私刑として復讐を行った日本の制度。武士が台頭した中世期からの慣行であり、江戸期には警察権の範囲として制度化された。

敵討の範囲は、父母や兄等の尊属が殺害された場合に限られ、卑属(妻子や弟・妹を含む)に対するものは基本的に認められなかった。また、主君に対するものなど、血縁関係のない者について行われることは少なかった。

なお、敵討は即ち決闘であるため、敵とされる側にもこれを迎え撃つこと正当防衛が認められており、敵側が仇討ち側を殺害した場合は「返り討ち」と呼ばれた。

敵討 - Wikipedia

上記の敵討ちの範囲は妻子は含まれていないが、ここまで細部にわたって敵討ちの内容を把握できている日本人は少なく今回は自分の身近な者に対する行為と大きく捉えたい。

日本人は敵討ちの物語を好む傾向はないだろうか。幼いころには「さるかに合戦」(コンプライアンスにより現在は敵討ちと言うよりも和解)年末になれば「忠臣蔵」最近のアニメで「鬼滅の刃」と弱者の代わりに立ち向かうヒーローは事欠かない。視野を広くすれば仮面ライダーウルトラマン水戸黄門だって敵討ちの枠におさまらないだろうか。

これを敵討ちに当てはめるとウィル・スミスは妻のために私刑(ビンタ)を行い助太刀(批判)はなく切腹アカデミー賞退会)せざるえなかったとうい運びになる。

 

おしまい。